愛車を査定に出すとき、傷やへこみを直した方がいいのでしょうか。
目立つ傷やへこみがあると査定が下がるのは確かですが、一般的に言って、直す必要はありませんし、直すと損してしまう場合があります。買取業者は自社や提携業者で板金塗装を格安でできるので、個人で修理業者に頼む場合に比べてずっと安く修理できてしまうからです。
なので、自費を使って修理した金額より査定が上がることはほぼ無いのです。むしろ、使った費用を回収できないので、直さない方が良いのです。
車の査定で、傷やへこみの評価は、その数だけ査定が下がるというものではなく、中古車の場合は(5点満点の)評価点でコンディションを評価するのが一般的です。
評価点は内装・外装・走行距離などを総合的に評価してレベル評価したもので、外装については、たとえば以下のようなものです。
5点:補修の必要がなく、そのままで商品として展示できるもの。
4.5点:補修の必要がほぼ不要で、ネジ止めパーツを1ヵ所(フェンダー・ ボンネット・ドア・トランク等のうち1つ)交換、傷や小さいへこみが2区画まで
4点:補修跡があるが仕上げ良好で、線傷・へこみが3区画程度で補修を要するもの。ネジ止パーツ交換は3ヵ所まで。
3.5点:補修の必要があり、鈑金・塗装を必要とする傷・へこみがあるもの。補修跡があり、仕上げが良くないもの。
3点:補修の必要があり、そのままの状態では展示できないもの。鈑金、塗装を必要とする傷・へこみが多数あるもの。数ヶ所に腐食があるもの。
2点:腐蝕が大きいもの
1点:冠水車等
0点:修復歴車、事故現状車
外装については上記のような評価点で業者間のオークションに出品されます。査定はこれらの評価点を基準に車の価値を割り出しています。
これを見てわかるように、補修が必要なものであっても、そのままでオークションに出品されています。補修は中古車販売店にとって、さほど問題ではないことだからです。多少の傷・へこみがあっても自社工場などで割と安価に補修できてしまうからです。
傷やへこみは無いほうが当然良いのですが、あってもその場所と程度によっては影響が少ない場合も多いです。車に傷はつきものであり、すべての傷やへこみを大幅に減点評価するわけではないということです。
影響が大きいのはフレームまでダメージがいっている事故の修復歴(事故現状)車であり、ドアやフェンダーの交換程度では修復歴にはなりません。
■車両保険が使えるなら保険で直す方が良いのか?
車両保険を使うと、修理の大きさによっては翌年から保険料がアップします。保険を使ったことによる割引率が下がるからです。その後、何年もかけてまた元通りの割引率になるまで数年かかるので、結局そのアップ分の差額を支払うはめになるのです。そのアップ分が総額でいくらになるのかを保険会社の代理店に聞くと教えてもらえます。保険を使って修理するということは、自費で修理するより安くないと意味がありません。これがほぼ同額であったりするときもあるので安易に保険を使わない方が良い場合もあります。
保険料のアップ分だけの査定額アップはほとんど望めないケースが多いので、多少の傷やへこみならば、保険を使ってまで直さずにそのまま査定を受けてしまった方が良い場合もあります。
今回の査定で売却する車よりも高い車に乗り換えるような場合は、車両保険代が今までの古い車より高いので、料率がアップすると意外なほどの差損を生じてしまうことがあり、おすすめできません。