ペットを車に乗せているのをよく見かけますが、大切な家族の一員として扱われて幸せなペットだと思います。それは他人がとやかく言えないことなのですが、愛車を売るという時にはペットの臭いやタバコの臭いは大きな減点材料になってしまいます。これは次のオーナーが特にアレルギーということでなくても臭いについてはとても気になるという方が多いためです。日本人は特に臭いに敏感な方が多く、査定の項目として臭いというのは減額査定になるのです。
また、ペットを乗せていると、シートに毛がこびりついてしまい、これがなかなか取れないので内装の評価が下がってしまうのです。業者間のオートオークションの出品票にも「車内、動物の毛あり」のように査定の減点材料として書かれてしまうのです。すると、どんなに外装がきれいな車でも、敬遠されてしまうため、高額にならずに低額で落札されたり、入札が少なくて希望落札価格に達しないで売れ残ったりしてしまう傾向があります。これを避けるためには車内の脱臭、こびりついた毛の掃除をあわせてする必要があります。
また、タバコも同様に、タバコのヤニが天井やシートに染み込んでしまっているとシートの汚れとして内装評価がABCのC評価になったりします。
どのように車を使うかは当然自由ですが、査定を受ける場合には内装の汚れや臭いは減点材料になってしまうのです。
■シートとフロアマットの臭い対策
・掃除機をかける
まず掃除機をかけて毛などを取り除きます。
・皮製シートの場合は皮製シートクリーナーで磨く
皮製シートはペットの毛がこびりつくこともなく、表面をクリーニングしやすいので、シートクリーナーで磨くようにしましょう。
・布製シートの場合は重曹を使って消臭する
料理や掃除に使う重曹をシートにふりかける方法です。ただし、アルミ製品を黒く変色させてしまうので、ご注意ください。
重曹をシートとフロアマット全体にふりかけて、しばらく放置します。できれば数日おきます。臭いが取れたら、掃除機で重曹を吸い取り、固く絞ったタオルで仕上げのふき取りをします。重曹には消臭効果があります。
・重曹を使えない場合はスチーム洗浄という方法も
スチーム洗浄は、高温の水蒸気でシートを掃除する方法です。汚れはとてもきれいになりますが、布製の天井などは素材が伸びてたるみになってしまったりするので、この方法も安易にやらない方が良い場合もあります。
カーメンテナンスショップなどでスチーム洗浄のメニューがあれば、相談してみるのも手です。
・シートをはずして丸洗いする
シートを取り外し、洗うというものですが、これもカーメンテナンスショップのメニューの一つとしてあれば、相談してみて下さい。
ただし、有料のクリーニングに投資した分だけ、査定金額が上がるという保障は無いので、ご注意ください。特に重曹を使うとアルミ素材が変色しますので、慎重に内装を点検してからなさって下さい。
■窓や天井の臭い対策
・窓の内側を速乾性のガラスクリーナーで拭く
喫煙車ではタバコのヤニでかなり汚れていて、臭いの元にもなっていますので、ガラスクリーナーで拭き掃除をします。
・天井の布を水拭きする
同様にタバコのヤニが付着していますので、タオルを固く絞って水拭きします。タオルが変色するので捨てても良いタオルを使用します。
・ダッシュボードやドアの内側も同様に水拭きする
タバコのヤニは水拭きでかなり落とせるので臭いを弱めることができます。
■カーエアコンの臭い対策
エアコンの臭いの筆頭は、カビ臭になります。エアコンの内部が結露して、水分のあるところにカビが発生するためです。
対策としては、普段の効果的な結露対策として暖房の最高温度にして強風で数分運転し、結露を蒸発させるという方法があります。
・エアコンの温度を一番高い温度に設定する
・強風で数分、運転する。
こうすることで内部が熱風により乾燥し、カビの生えるのを防ぐことができます。ただし、この方法だけですでに生えているカビを根こそぎ取ることはできません。
エバポレーターという複雑な構造の部品があり、その部分にカビが生えてしまうと、スプレー式のカビ取り剤でも届かない場合があるのでなかなかやっかいです。エアコン内部のクリーニングは、エバポレーター洗浄のできるプロのお店に頼んだほうが良い場合があります。
カーエアコンは構造が複雑で、取り外して分解洗浄をしなければ完全にはきれいにならないことがあります。
・エアコンフィルターの交換をする
タバコの臭いがする場合はフィルター交換で改善する場合があります。
■費用対効果を考えてスプレー製品を使う
カーメンテナンスショップの高額な掃除メニューでは元を取れないケースがあるので、安易ですがカーショップに売っているスプレー式の消臭剤を使ってみるだけにするのも手です。
光触媒スプレーやオゾン消臭方式など、それぞれに効能が書いてありますが、安くて手軽なのは車用のファブリーズでしょう。ただし、芳香剤で臭いを消すというのは避け、無香料タイプを使用します。いい匂いのする芳香剤の匂いがきつい場合というのも減点材料になることがあるからです。
どれを使うにしても、臭いの原因物質を除去することが重要ですので、掃除機をかけ、水拭きをするという掃除を先にやっておくことをお勧めします。
臭いを完全に消すことは難しいですが、車内の掃除と消臭スプレーだけでも実施して査定を受ければ何も対策をしないよりは査定員の印象は良くなることがありますのでお勧めします。