一昔前は、動かない車を処分するにはお金を取られて廃車にするしかないという認識が一般的でしたが、最近は資源としての価値が見直され、不動車でも売れる時代になりました。実はずっと前からそうだったのですが、不動車も売れる、買取ってもらえるという認識が広まったのはネットで廃車でも買取る業者が現れてから一般化してきました。
日本の車は海外で非常に人気があり、10年以上前の古い車であろうと、10万キロを超えた多走行車であろうと需要があり、売れます。需要があるということは、修理のためのパーツにも需要があります。
車の修理に使えるなら、エンジンに限らず内装・外装のすべてが対象になりますので、状態が良ければ交換用の部品を取るために使われます。これは、日本で流通価値が無くなった古い車や多走行車に限らず、廃車するしかない事故車、水没車などの不動車でも売れる・買取れるということです。
買取るのは主に解体業者・中古車輸出業者で、解体業者は解体したパーツを輸出したり、スクラップにする場合でも鉄資源として再利用しています。中国のオリンピック需要で鉄の価格が高騰したときは不動車・廃車の買取価格が高くなったこともありました。
車として動かないからといって流通価値がゼロにはならないのが廃車でも買取れるという理由になります。部品取りとしての価値はもちろん、最悪でも鉄としての価値があります。
かなり大破した事故車でも年式が新しい高級車などはフレームを修正することできちんと直してあれば、中古車としてそれなりの高値で売れることが多く、あきらめるのはもったいないです。修復歴があっても、きちんと直してあるなら安く憧れの車に乗れるからというファン層がいるためです。
不動車になっていても人気のスポーツカーやビンテージカーなどは、お宝扱いでレストア・修理され、車検を通して乗ろうというマニアがいるので査定を受けてみたら意外な買取価格がつくことがあります。
また、不動車で人気が無い車種でも、日本の需要が無いだけで、海外では全然問題なしの場合も多く、直せば動く車なら輸出用として見直される場合があります。
■廃車の場合に戻ってくる税金など
廃車にした場合、税金などの一部が戻ってくる場合がありますので、それを買取業者が立替払いして先払いの形で還元してくれる場合があります。立替払いの意味は、税金の還付は最終所有者に戻るため、最終所有者の業者に戻るからです。それを誤魔化さずに車と引き換えに先払いしてくれるという良心的な業者も多く、そのような業者に買取ってもらうと廃車手続きも含めて面倒なことはやってもらえるのでお得です。
ここでは廃車(解体)、輸出それぞれで戻ってくるお金について確認しておきましょう。
・自動車税
4月から翌年3月まで1年分を納めてあるので、年度の途中であれば未経過分が戻ります。
・自動車重量税
車検が残っている場合、未経過分が還付されます。業者に還付されるので、還付請求は業者がすることになります。
・自賠責保険の未経過分
車検が残っている場合は自賠責保険の未経過分を解約返戻金として保険会社に払い戻してもらえます。
・リサイクル料
解体しないで輸出する場合、中古車として買取ってもらう場合には最終所有者が負担するものなので、リサイクル料は払ってもらうべきものです。解体される場合は戻りません。
■抹消登録の確認をしましょう
ほとんどの業者はきちんと廃車手続き(名義変更+抹消登録)を代行してくれますので、問題ないケースが多いですが、手続きが遅れたりしてトラブルになることがありますので注意しましょう。
もし手続きが遅れると、自動車税の納税通知書が届いて支払いをするはめになったりしますので、注意しましょう。必ず業者に名義変更と抹消登録を済ませたら車検証のコピーを送付してもらえるように依頼しておくことをおすすめします。