「ソフトなブレーキ操作で安全運転を心がけましょう」でも書きましたが、急発進・急加速・急ブレーキはなるべく避け、安全運転に徹することで踏み間違い事故も減らせるということでした。
もうひとつの事故の原因は、クリープ現象にあわてることです。クリープ現象とは、オートマチック車がアクセルを踏まなくても動き出すことです。この、アクセルを踏まなくても動いていることに気付いてパニックになり、やはりアクセルをブレーキと間違えて踏んでしまって急加速する事故が起こります。つまりクリープ現象にあわてるということは普段から渋滞時などにクリープ現象を利用して発進させ、ブレーキだけで前進と停止を繰り返しているような漫然とした運転を癖にしてしまっている可能性があります。このようなクリープ現象を利用した前進をやめる練習をすることが効果的です。車を動かすときはブレーキから足を離してアクセルをそっと踏んで前進する、止めるときのブレーキもそっと踏んでそっと止まるという練習をします。ブレーキをガツンと止める癖があれば、ソフトにかけるように練習して癖をつけることです。
車がクリープ現象で動いていてあわてるということは、ブレーキを踏んで止まっているときにブレーキを踏む力を緩めてしまい、クリープ現象で動いていてあわててブレーキを踏んで止めたことがあるということです。つまり普段の運転で慢心していて、あわてて止めた経験があるということです。これも漫然とした運転が癖になっている可能性があります。癖はなかなか直すのは難しいですが、あえて練習で癖を直さないとクリープ現象でブレーキをガツンとかける癖は直りません。アクセルをマイルドに踏んで低速で発進し、ブレーキをマイルドに踏んでゆっくり止めることを癖になるまで練習するのが効果的です。
「ソフトなブレーキ操作で安全運転を心がけましょう」でも書きましたが参考にすべきはやはりバスの運転です。バスの運転手はマイルドな加速を心がけるよう練習しています。また、運転のプロとしては役員車の運転手も同様に、急加速や急減速をしないよう訓練されています。役員が後部座席に座って本を読んでいたりしますからそっと動き出し、そっと停止させるという訓練をつんでいます。運転に集中し、わき見運転をせず、そっとアクセルを踏んで発進し、ガツンとブレーキをかけずにマイルドに止まります。このような運転を癖にしていれば、ペダルの踏み間違い事故を起こす可能性は大幅に減ります。
エンジンがかかっているときは漫然と運転をしないということを心がけて安全運転をしましょう。
また、踏み間違い事故だけでなく、カーブを曲がりきれない事故もマイルドな運転を癖にしていれば防げます。カーブを曲がるときは遠心力を意識しておさえる運転をします。カーブを曲がる運転方法も、バスの運転手を見習えばよいのです。バスがカーブを急加速して曲がったりしないのは乗客を守るためですが、カーブを曲がるときにアクセルを急に踏んだら遠心力で体が外側に押し付けられるだけでなく、車も外側にふくらんで対向車線にはみ出します。これを防ぐにはカーブでは十分に速度をおさえる必要があります。慢心をせずにカーブの手前で減速することを癖にするしかありません。この基本的なことをやらない場合に、カーブを曲がりきれない事故が起こる可能性があります。わかっていても漫然として運転するのが癖になっていると、スピードを出したままカーブに入って行くというのが日常になっていきます。たいていは上手く曲がれますが、万一、失敗したときは車の制御に失敗して曲がりきれないということが起こります。バスや役員車ではあってはならないことです。われわれ一般ドライバーも、バスや役員車レベルの安全運転をしておくことが事故という悲劇を避けることが出来て、結果的にはお得です。
共通するのはアクセルはマイルドに踏むこと、ブレーキもマイルドに踏んでゆっくり止まること、それが癖になっていることです。なかなか難しいように思えますが、運転をするということは法的には業務と呼ばれ、ミスをして事故を起こすと業務上の過失と呼ばれるように、仕事ではないですが運転者には責任があるということです。プロドライバーの運転を見習っておくにこしたことはありません。プロを見習ってマイルドな運転で安全運転をするようにしましょう。