自動運転の技術開発は自動車メーカーだけにとどまらず、グーグルなどのIT企業も開発を進めています。
日本では自動運転のレベル1~レベル4で言えばレベル1~レベル2に相当する、車間を保ってぶつからない技術、車線を維持して走る技術などを各メーカーがオプションで提供しています。これらは、ドライバーの操作をアシストするもので、予防安全技術と呼ばれ、あくまでも主体は運転者の運転です。
自動運転とは、運転者が緊急時に操作を行うレベル3と、運転者が全く操作をしないで安全確認もシステムが行うレベル4があります。
日産は2020年までに運転者が運転操作をしなくても走るレベル4の自動運転車を発売すると2013年に発表しています。
段階的に、高速道路限定で自動運転できる技術を発売し、その後一般道でも自動運転できる技術を発売する計画です。
2013年の試作車は電気自動車のリーフを改造した車で、音波・電波・光線を使ったセンサーと5つのカメラを組み合わせて車線、車、障害物や信号・道路標識などを検知して人工知能が運転操作を行い、運転者がハンドル・ブレーキ・アクセル操作をしなくても自動的に走行するというものでした。
現在、できることは車間距離を保って車線をキープすること、車線変更、追い越し、合流、分岐、インターチェンジ走行などです。これらを高速道路に限定して行うことが出来ます。高速道路に限定している理由は、対向車や歩行者が無く、信号や交差点が無いからです。これらの複雑さを避けることで第一段階の高速道路の自動運転を可能にする計画です。
さらに次の段階では、一般道の走行になりますが、これが一筋縄では行かない大変さがあります。たとえば交差点で信号を読み取って右折する場合、対向車が来ないか、横断している歩行者がいないか、交差点の中央で止まって右折のタイミングを予測するなどの難しい判断をしなければなりません。路上駐車の車両をよけたり、道路標識を読み取るなどの複数の同時進行の判断が求められます。
一般道での自動運転を実現するためには交通状況を瞬時に把握してミスなく判断しなければならず、高度な人工知能が必要になります。
自動運転を実現したら交通事故が大幅に減らせるという試算があり、それは判断ミスをしないという前提があることによります。まさに夢の技術ということです。
日産では自動運転車の販売価格を高級車以下の価格に抑えるという目標で開発しているようです。300~400万円台はしそうですが、それでも実現したら画期的なことは間違いないでしょう。普及するかどうかは価格次第でもありますので、できるだけ低価格での発売を期待したいところです。
スバルもアイサイトを進化させて自動運転車の発売を目指しており、日本のメーカーにも頑張ってもらいたいところです。最大手のトヨタが自動運転車の発売にはまだ本気になっておらず、予防安全技術の範囲にとどめている姿勢がありますが、日産ほかのメーカーが売れる自動運転車を発売してくれれば、トヨタも本気にならざるを得ないような気がします。それを期待して、スバルや日産には頑張ってもらいたいところです。