あえて修復暦車に乗るという選択

事故歴のある車(修復歴車)は普通は避けるものです。事故歴のある車とわかれば、それを選ばないで事故歴のない車を探すのがセオリーでしょう。

しかし、修復歴車は安いので、あえて修復歴車を探して乗るという人がいます。たしかに修復歴有りでも、きちんと直してあれば問題なく使えます。

修復歴車に乗ったことがある方の話になりますが、その方の買った修復歴車はフロント部分の事故歴がありましたが、当時の彼にはあまり知識もなく、安さだけで飛びついたのが災いして、あまり良くない車だったということです。ハンドルから一瞬手を離すと少しずつ左へ向かって曲がって行く癖があるということでしたので、あまりきちんと直っていない車だったようです。その後、もう一台、やはりフロントの修復歴車に乗ったそうですが、その車はきちんと直っていたようで、左右にぶれることなく、どこもおかしくない普通の車だったとのことでした。

このように、修復歴車にはきちんと直っていない車と、きちんと直っている車というものがあり、きちんと直っている車に乗るなら特に問題なく、むしろ安くて良かったと言える場合もあります。

ただし、修復歴車には保証をつけにくいもので、有料の保証制度も免責になってしまう場合があります。関連記事「保証に加入すれば中古車でも安心して乗り続けられます。」でも書いていますが、有料で保証を付ける事で、長期の保証を得ることができますが、修復歴が無いことが前提になる場合が多く、あえて修復歴車に乗る場合には保証というものとは無縁のカーライフとなります。あえて修復歴車に乗り、あえて保証もいらないという大胆な戦略になります。

日本の中古車は世界的にも品質の高さなどから人気があり、丈夫で故障しにくい日本の中古車は多くのバイヤーに買われて輸出されていきます。それは故障はしても豊富なパーツ類も輸出されているため、容易に修理ができるからです。故障をしたら直して乗るということです。同様に、事故を起こしたら直して乗る。このスタンスになります。

そもそも修復歴車には前オーナーが事故を起こして、直して乗っていたという事実があります。なので、修復歴があっても直して乗っていた前オーナーがいるという事実は強みでもあります。きちんと直っているから乗っていたはずです。先ほど述べたような左右にぶれる動きをするような粗悪な車は現在では少なくなっています。それはフレームの修復技術が向上しているからです。修復歴車でも流通している車の場合は、ほぼ元通りに直っていると言えるでしょう。

また、ボンネットやドアの交換歴はあってもフレーム修正をしていなければ修復歴車とは呼びません。修復歴車とは、車のフレームの変形・破損を修復したということなので、フレーム修正機という機械で修復をしている車を修復歴車と呼びます。ドアやバンパーをこすって傷つけて交換した程度では修復歴とは言いません。

現在の状況としては、修復歴がある車であっても、ほぼ元通りに直っている車が流通していると考えてよく、粗悪な車は少なくなっています。左右どちらかに曲がっていくような車は少ないですが、念のため、試乗はできるだけしておくことをお勧めします。⇒関連記事「中古車を買うなら試乗をしましょう」もご覧下さい。

修復歴があっても、試乗をして問題なくまっすぐ走り、ハンドルのぶれもなくきちんと直っていれば、安く買えるチャンスということです。この場合は、長期保証などをつけずに、安く買い、乗りつぶすという覚悟が必要です。もし故障したら実費で直すか、乗り換えるという考え方になります。中古車は経年劣化によって、時期的に故障が集中して起きるようなことがあります。これを保証する有料の長期保証制度があるのですが、何も起きなければ保険料としては掛け捨てになるわけです。

あえて修復歴車に乗るという選択をする場合は、故障したら実費で直すということになるので、ある意味では賭けの要素もあるのですが、最大のメリットである、安く買えるということとのセットで考えることができれば、選択としては有りなのではないでしょうか。

修復歴車には、フロント部分の修復歴だけではなく、後部の修復歴車もあります。後ろから追突されたなどの理由で、前の部分は無傷だったりするのですが、後部の修復歴であれば、ハンドルを取られたりというフロント部分への影響が少ないので、大いに狙うべき車ということになります。

中古車販売店によっては、修復のある部位を教えてもらえる場合もありますので、修復部位が車の後部であるならば、積極的に狙ってみるのも良いでしょう。いずれにしても修復歴車は試乗をしてみるということを基本にして、メリットである安さと、デメリットである長期保証が無いという面の総合判断で購入を決めるようにしてみてはいかがでしょうか。

修復歴車のすべてが粗悪ということではないので、場合によっては買い得のケースもあることもあります。

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