コンビニに車が突っ込んでしまったり、バックで立体駐車場から転落してしまったりという事故のニュースを時々見かけます。このような事故はアクセルの踏み間違いが原因なのですが、なぜ踏み間違い事故は起こるのでしょうか。
アクセルとブレーキは隣に並んでいて、どちらも右足で踏むという共通の動作をすることから、ブレーキを踏んだつもりなのにアクセルを踏んでいた場合に踏み間違い事故が起こります。
ブレーキを踏んで車を止めるつもりで、アクセルを強く踏んでしまうと、止まると思ったのに急加速という逆の動きをする車にパニックになってしまい、止めようとしてさらにアクセルを床につくほどにまで強く踏んでしまうのです。
ブレーキペダルと間違えて、車を止めようとして思い切りアクセルを踏んでいるので、車は急加速してしまっているのです。事故の後で運転者は一様に、ブレーキを踏んだら急加速した、と証言していることからも踏み間違いであることは明らかです。
特にオートマチック車の場合はブレーキを緩めるだけで少しずつ前進を始める「クリープ現象」があるため、このブレーキとアクセルの誤操作を犯しやすくなります。車の動き出しを止めようとしてブレーキを踏んだつもりがアクセルだったというわけです。止まらない車にあわててしまい、アクセルをブレーキのつもりで強く踏んでしまっているのです。
これがマニュアル車ならクラッチをつなぐ左足とアクセルの右足のマイルドな連携操作で発進するため、誤発進したと思ったらクラッチとアクセルを緩める動作がとっさにできる可能性が高く、急加速はほぼ起きないため、誤操作による事故を防げるのです。
つまり、オートマチック車ならではの右足だけでペダルを踏むだけという単純な動作で加速と停止をする機構によって誘発されてしまっている誤操作(による事故)というわけです。
また、バックする場合にも誤操作は起こりやすくなります。後ろを振り返って体をよじることで足の位置感覚に勘違いが生じてペダルを踏み間違えてしまっているのです。
■誤操作を防ぐ機能とは
最近は、この誤操作を感知して車の急加速を防ぐ機能が搭載されている車が販売されています。対策方法は、センサーで障害物を検知して、運転者が急加速の動作をした場合に警告音を鳴らしつつ、エンジンの加速を止める機構を搭載しています。衝突被害軽減ブレーキ機構と一体化したシステムであることが多く、その機能の名称はメーカーにより違います。
・低速で走行中にブレーキを踏み遅れてしまったとき、衝突を防止する機能
・アクセルを踏みすぎてしまったとき、衝突を防止する機能
・前進と後退を間違えて発進してしまったとき、衝突を防止する機能
これらの機能を実現するためのセンサーを車の前後に搭載して、進行方向にある障害物との距離を測り、急激な接近や追突しそうな状況を検知するとエンジン出力を絞り、自動ブレーキで停止するという機能です。
■踏み間違い衝突防止と関連性のある予防安全システムの名称(リンク有りは関連記事があります)
トヨタ インテリジェントクリアランスソナー、ドライブスタートコントロール、トヨタセーフティセンスP、トヨタセーフティセンスC
ホンダ シティブレーキアクティブシステム、ホンダセンシング
スバル アイサイト
マツダ スマートシティブレーキサポート
スズキ レーダーブレーキサポート、デュアルカメラブレーキサポート
ダイハツ スマートアシスト
これらの急加速防止システムの搭載車種が増えてきていますので、車選びの際に参考にしてみてはいかがでしょうか。
※ただしまだ発展途上の技術です。詳しくは関連記事「アクセルペダルの踏み間違い事故を防ぐ機能はまだ発展途上?」をご覧下さい。