ブレーキとアクセルの踏み間違いによる事故は年間7000件前後も起きていますが、踏み間違い事故を軽減する機能は各メーカーで開発されています。
日産は踏み間違い衝突防止アシストという機能をノート、セレナ、エルグランドなどの車種に搭載しています。
■踏み間違い衝突防止アシストの機能
移動物を検知する機能を持った「アラウンドビューモニター」では、日産独自の画像の変化を解析する技術で移動する物体を検知することができます。この移動物の検知機能とともに、超音波ソナーによって壁やガラス面の接近を感知して衝突を防止します。
駐車操作中にブレーキとアクセルを間違って踏んでしまっても、システムが誤操作による異常加速を検知して衝突を防止します。
壁だけではなく、コンビニなどのガラス面も察知できるので、コンビニやスーパーなど、駐車スペースと店舗が近い場所での安全面に威力を発揮します。
前進・後退のどちらの場合でも、アクセルを誤って踏み込んでしまっても超音波ソナーが壁やガラスを検知すると、自動的に加速をさせないようにエンジン出力をおさえ、自動ブレーキが作動して衝突を回避します。
上記の機能は壁やガラスなどの障害物がある場合にはたらきます。壁やガラスが無い場合は駐車枠の白線を検知した場合に加速を抑える機能があります。
日産の画像解析技術では、移動する物体の検知のみではなく、駐車場の白線で囲まれた駐車枠を検知し、異常加速を抑える機能があります。
壁やガラス面の無い駐車場では、白線の枠内へ入ると、急加速を抑える機能がはたらきます。もし誤操作によってアクセルを深く踏んでも、枠を飛び出しにくくするようにエンジン出力を抑制して急加速をおさえてくれます。ただし、枠内に止めてくれるわけではなく、異常加速を抑制するだけです。自動ブレーキで枠内に止まるわけではないのでご注意下さい。これは、駐車場の枠で勝手に止めてしまうと、ひとつ先の駐車枠に止めたい場合や、白線を越えて前進したい場合などに先に進めないことになるので、急加速だけを抑えるように設定されているようです。
また、駐車枠は、両側に白線があるものを駐車枠として認識するようになっています。また、雨などで見えにくい時や白線が薄いような場合は検知できないこともあるのであくまでもアシスト機能として考えておいた方が良いでしょう。
■渋滞中のクリープ前進でわき見運転をしても追突を回避する機能
本来はあってはならないわき見運転ですが、渋滞中にわき見をしているときにクリープ現象で前進してしまった場合、そのままでは追突してしまいますが、自動ブレーキによって衝突を回避できます。
壁やガラス面と同様に、停止中の前車を検知すると、追突する直前に自動ブレーキが作動してくれます。メーカーのサイトでは追突を回避または軽減しますと書いているので、絶対に追突しないのではなく、時速8km/h以下でのクリープ現象の場合に衝突を防止します。また、前車が動いているときや、止まっていても自転車やバイクのような細い物体では検知しないこともあるようです。
■まとめ
絶対に追突しないわけではなく、パーフェクトとはいえないですが、ドライバーのミスから起きる追突事故や、コンビニなどでのブレーキとアクセルの踏み間違い事故を防いでくれる機能は安心できます。
超音波ソナーによる障害物接近の検知と、アラウンドビューモニターによる画像解析のダブル解析により、アクセル踏み間違いによる誤操作をほぼカバーしてくれる頼もしい機能だと言えます。