各メーカーで開発されている衝突被害を軽減する自動ブレーキシステムですが、スズキの軽自動車、スペーシアにステレオカメラによるシステムが搭載されました。予防安全性能評価のテスト結果が軽自動車として最高得点を獲得するなど、優れた性能でドライバーをサポートしてくれるシステムになっています。
■しくみ
2つのカメラを左右に水平に設置することで画像がステレオ化され、対象物との距離を正確に測れるシステムです。ステレオカメラを採用しているメーカーとシステムにスバルのアイサイトが挙げられますが、アイサイトと同様に、人のように小さな対象物を判別するのが得意なシステムなので、人や自転車・バイクなどの小型車両にも強いシステムになっています。
■スズキのステレオカメラによる衝突被害軽減ブレーキの機能
・デュアルカメラブレーキサポート
時速5~100km/hで走行中に前方の障害物との接近を検知し、警告を発します。ドライバーが回避操作をしなかった場合、まず弱いブレーキをかけはじめます。その後、ドライバーがブレーキを踏むと、強いブレーキがかかるように制動力をサポートして停止させます。もしそのままでは衝突すると判断したら自動で強いブレーキがはたらいて衝突被害を軽減します。衝突を避けられない状況でも、車が対象の場合は時速5~50km/h、人が対象の場合は5~30km/hの範囲では衝突を回避できる場合があるほど強くブレーキがかかります。
・誤発進抑制機能
ブレーキとアクセルを間違って踏み込んでしまった場合や、シフトレバーを前進と後退を間違えた場合の誤発進を防ぎます。
徐行中または時速10km/h以下の走行中に前方4m以内の障害物をステレオカメラが認識すると、アクセルを間違って踏んでしまってもエンジン出力を最長5秒程度抑制し、警報で注意を促します。
・車線逸脱警報機能
時速60~100km/hで走行中、車線をはみ出しそうになった場合、ブザー音とメーター内の警告表示で警報を発して注意を促します。
・ふらつき警報機能
時速60~100km/hで走行中、居眠り運転などにより左右にふらついて走行をしている時に、通常時の走行パターンと比較してふらつき走行と判断するとブザーとメーター内の表示で警告します。
・先行車発進お知らせ機能
信号などで停車中に、前車が発進して4m以上の間隔があいてもドライバーが発進のアクセル操作をせずに停止し続けた場合、ブザーとメーター内の表示で警告します。
■まとめ
ステレオカメラによる衝突軽減ブレーキシステムは比較的廉価でありながら、精度の高い画像認識が可能なため、普及しやすさとともに、搭載をした車のユーザーの評判も良い傾向があります。
また国土交通省と自動車事故対策機構が主催する予防安全性能アセスメントでの予防安全性能評価がほぼ満点(46点満点中、45.8点)を獲得するなど、信頼性の高い安全サポートシステムになっています。