中古車の名義変更を自分でする方法

中古車の名義変更の方法を説明します。

■移転登録に必要な書類

名義変更のことを正式には移転登録と言います。民法でも売買契約などで物を買うと、代金を払うことで物の所有する権利である所有権を移転すると言います。名義変更することで所有権を移転したことを車検証の所有者欄に記載されることになります。ちなみにローンの支払い中は所有権留保と言い、所有者欄はローン会社やディーラーで、使用する権利をもらっている状態なので使用者欄に載ることになります。ローンを払い終わると、所有権解除という手続きで使用者から所有者になります。

名義変更では上記のとおり、移転登録という手続きをします。手続きに必要な書類は以下のとおりです。

所有者がディーラー等の所有権留保の場合はほぼ100パーセント、販売店による代行手続きになるので、使用者個人が手続きをすることはまず無いでしょう。個人売買などで所有者が本人で、所有者本人が移転登録に行く場合は、以下のようになります。

・移転登録の申請書
移転登録の申請書は陸運支局の売店で販売しているので約100円で購入します。陸運支局に記入見本がありますので見本のとおりに記入します。いろいろな申請見本があるので、移転登録の見本を見るようにして下さい。また、移転登録申請には登録印紙代500円が別途かかりますので申請書に付属の手数料納付書に印紙を貼ります。

・車検証
旧所有者の名義の車検証の原本を添付します。名義変更後には自分の名義の車検証が発行されます。ディーラーやローン会社名義のままの場合は、(ローン完済していることが前提で)所有権の解除をして譲渡証明書と委任状に譲渡を証明する会社の実印を押印してもらいます。

・車庫証明書
車の保管場所の証明書類として車庫証明を警察署に出向いて取得する必要があります。移転登録の申請が大変な感じを受けるのは、この車庫証明に日数がかかることが大きく影響していると言えます。移転登録は思い立った当日に完了できないのです。あらかじめ、この車庫証明を取得するために動かなければなりません。

車庫証明の申請書は警察署の窓口へ行けば無料でもらえます。申請してから証明されるまで数日かかり、再度警察署に受け取りに行かなければなりません。なので、最初に申請書をもらいに行き、記入して申請のために再度訪問し、さらにもう一度車庫証明書の受け取りで合計3回も警察署に行くことになります。平日のみの受付なので平日の昼間に仕事をしている方などは何回も仕事を休まねばならないことから、名義変更はとても大変なイメージになっています。車庫証明の申請は代理人が行っても良いので、本人は書類の作成だけをして、提出や受け取りは代理人に頼むという手もあります。

月極め駐車場を賃貸している場合は不動産屋に賃貸している証明書を作成してもらい、申請書に添付する必要があります。なので申請前までに不動産屋にその書類を取りに行く必要があります。不動産屋によって3,000円~5,000円を発行手数料としているケースが多いのでこの費用が別途必要になります。なお、賃貸ではなく自宅のガレージに停めるのであれば「自認書」を作成しますので不動産屋への費用はかかりません。

車庫証明の申請には、駐車場と自宅の位置関係の地図、駐車場の見取り図を添付して申請します。問題がなければ数日後に警察署で受け取れます。申請には3,000円弱の申請費用が(不動産屋の分とは別で)かかります。

・譲渡証明書
車名・型式・車台番号・原動機の型式を車検証のとおりに記入します。さらに譲渡人、譲受人を記載し、譲渡人(旧所有者)の実印を押印します。譲渡人が法人の場合は法人の実印を押印します。1行目に譲渡人の氏名住所、実印の押印、2行目に譲渡の年月日、譲受人の氏名住所を記載します。譲受人の印鑑は不要です。通常は3行目以下は空白です。

・委任状
上から順に、
委任者は手続きに行く新所有者の住所氏名を記入します。
譲受人(新所有者)に移転登録を委任する旨を記載します。
自動車登録番号を車検証のとおりに記載します。
申請の年月日を記載します。
譲渡人(旧所有者)の記名をし、実印を押印し、住所を記載します。
(通常、右側の委任者欄は空欄のままです。代書屋さんに依頼したり中古車屋さんに依頼する場合は連名で記載する部分になります。)

・印鑑証明書
譲渡人(旧所有者)、譲受人(新所有者)の実印を証明する印鑑証明書を添付します。発行後3ヶ月以内のものが必要なので事前に役所で取得しておきます。新所有者が申請する場合は、譲渡人から譲渡証明書と委任状への記名押印をしてもらい、印鑑証明書とあわせて受け取っておく必要があります。

・自動車税納税証明書
・自賠責保険証明書
・自動車リサイクル券
上記の必要書類をまとめて陸運支局の申請窓口に提出します。書き方がわからないなどの質問にも割と親切に教えてくれますので、記入ミスがないか書類をまとめてチェックしてもらうと良いでしょう。

・自動車税・自動車取得税申告書
最後に陸運支局内の税事務所へ行き、税の書類にも記入をして提出します。記入見本があるのでそのとおりに記載をします。

・ナンバープレート返納の場合
陸運支局の管轄が変わり、ナンバーが変更になる場合は車両を持ち込んで、ナンバー(取り外し)返納、新ナンバー取り付け、封印の流れとなります。

■名義変更のポイント

書類が多いので必要書類をそろえるのが重要なポイントです。書類の中では特に車庫証明書の申請が何度も警察署に足を運ぶ必要があるので面倒に感じるところです。書類がそろえられれば申請書の書き方などは陸運支局で見本を見て記入したり、わからないところは教えてもらえます。記入が不安な場合は陸運支局の周囲にある代書屋さんに3,000円前後で書類の記入をしてもらう手もあります。実際その方がミスが無くて良いでしょう。

最初に車庫証明を警察署に申請しておいて、印鑑証明書、譲渡証明書、委任状などの譲渡人の協力が必要な書類をそろえていくという手順が良いでしょう。

なお、車検が残っていることが前提です。車検切れの車は名義変更ができませんのでまず車検を通す必要があります。

また、任意保険が有効な状態で車両を受け取ることが万一の事故を起こした時のために重要なポイントです。
 ⇒関連記事「中古車購入時に名義変更を自分でする場合の注意点」をご覧下さい。

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