車の査定基準とは?

車の買取査定で価格を決定付ける基準は相場です。実際に業者間オートオークションでいくらで売れるのか、同じ車種で落札された金額データをもとに判断します。実車を見て、落札された車との差がどれくらいあるか、もっと高く売れそうか、安くなりそうかで判断します。過去にデータの無い車はいくらで売れるかわからないと言っても過言ではありません。その車種に取引された相場データがあるなら買取れるということで、データが無ければ怖くて手が出せないというのが本音でしょう。

査定をするには相場データが非常に重要なのですが、査定の本来の形は、基準価格というものに点数・金額を加減して行う手法をとります。公正な査定をするために、日本自動車査定協会(JAAI)という団体があり、車の査定について査定基準を定めています。
中古車は新車とは違い、1台1台が状態も品質も異なるため、JAAIでは査定基準を定め、査定を適正に行えるよう、「査定士」の育成に尽力しています。

■中古自動車査定士

査定士は全国に14万人いる中古車の査定資格です。ディーラーや中古車買取店の営業スタッフに普及しています。一定の講義を受け、筆記試験に合格すると資格を取得できます。

査定士のノウハウは、業者間オークションの相場を使用せずに、基本価格±加減点という方式で算出するので、資格を取得すれば査定の公正さが担保されることになっています。

日本自動車査定協会は査定を公正に行うためのカーチェックシートを使用して査定を行うように指導しています。実務の現場で使うカーチェックシートは各ディーラー・買取店とも独自のものを使用していても査定士の資格で使うものに準拠していて、ほぼ同じ内容となっています。

■査定価格 = 基本価格 ± 加減点

各社ごとに決められている基本価格に、車のコンディションによる加算・減算をして査定価格を算出することになっています。基本価格は経費などが各社で違うため変動します。したがって基本価格は各社で違うので、査定結果も違うことになります。査定の公正を期するために加算・減算点は決められていますが、基本価格の違うところからスタートするので、査定価格も違うことになります。

■標準状態の内容

・内装・外装にキズが無い

・走行距離が標準である

・修復歴が無い

・エンジン、足回りが走行に支障がなく良好

・タイヤの残り溝が1.6mm以上ある

・車検の有効期限が3ヶ月以内

これらの項目に加えて装備・電装その他の項目について、コンディションや装備がよければ査定がアップし、悪ければ査定がダウンします。

■加減点の内容の例

・走行距離
車の年式にもよりますが、一例として、1万キロ以下の車なら+5万円、10万キロ超なら-10万円のようになっています。

・タイヤの残り溝
タイヤのサイズにもよりますが、たとえば溝が3ミリなら-5万円、新品タイヤなら+5万円のようにタイヤだけでも大きな差が出ます。

・車検の有効期限
2年残っていても+5万円に過ぎないので、車検を取りたてであっても車検代の投資以上のプラス査定にはならないことがわかります。

以上は一部の例ですが、このように算出された結果、業者オークションの相場とは関係ない査定価格になることがよくあります。たいていの場合、オークション相場よりも安くなります。業者によっては独自の基準で加点して少しでも高く査定を出そうとしています。

■基準価格の公表について

基準価格はJAAIが毎月公表しています。また、ディーラーでも基準価格を毎月冊子で出しています。ディーラーごとに基準価格が違うため、下取り価格もディーラーによって違うということになります。

■査定結果は同じにならないので一括査定を

このように公正な査定基準で査定をしても査定結果は同じにはなりません。車を売却する側としては、一番高いところに売りたいわけですので、複数の業者にまとめて査定依頼を出せる一括査定の利用がやはりおすすめです。

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