中古車といえばどんなに新しくても少なくとも数百キロ、数千キロは走っている車というイメージがありますが、何キロ走れば中古車になるのでしょうか。それは一度登録したら何キロであろうと中古車になります。まったく乗らずに手放しても中古車です。
中古車の中にはまったく使われずに新規登録(届出)して保管されている登録済未使用車(届出済未使用車)というものがあります。限りなく新車に近い中古車ということになります。中古車なので、新車より安く買えます。
この、登録(届出)を一度しただけの中古車は陸送のための数キロ程度しか走っていない、傷ひとつ無い状態で、新車のようにピカピカです。それでも中古車ということなので、メリットがたくさんあります。それは、重量税が支払い済みなので不要となります。さらに自動車取得税は中古車なので課税対象となる評価額が新車より安いということです。なので自動車取得税の額が低くて済みます。
新車の場合はそのまま車両の価格に税額がかかりますが、中古車である未使用車は中古車としての軽減された金額になるので安く買えるというわけです。
■登録(届出)済未使用車が生まれる理由
ディーラーの販売ノルマ達成のため、自社で購入し、登録した車ということになります。販売目標台数を達成すれば、仕入れ率が下がり、インセンティブや販売奨励金が上乗せされて入りますので、ディーラーとしては是非とも達成しておかなければならないノルマになります。しかしモデルチェンジ・マイナーチェンジ直後ならまだ人気があって売れるものの、それから時間が経つにつれて売れにくくなってきます。その場合は台数の不足分だけ、自爆営業とも言える自腹で購入する自社登録の車が生まれます。その車は換金されるために業者に卸売りされていきます。その車が登録済(届出済)未使用車というわけです。新車よりも安く買える未使用の、新品同様の車がこうして誕生します。
■登録(届出)済未使用車のメリット
・新車より安い
新車同然の上質な中古車で、新車よりも安いというのが最大のメリットです。
・メーカー保証が継承できる
ディーラーで新車を購入したのと同じ保証を付けられます。5年または10万キロのメーカー保証を承継できるので安心して乗れます。
・納車までが早い
新車を買うと、オプションを付けたりといった生産を待つ必要があり、1ヶ月近くかかることもありますが、中古車として現物があるので、名義変更をするだけで即、乗れるという早さがあります。
■登録(届出)済未使用車のデメリット
・色やグレードは選べない
台数のノルマ達成のためだけに登録されるので、グレードは標準グレードでオプションは付いていないのが普通です。後から純正オプションを付けることが難しいという難点があります。(関連記事⇒「純正オプションと社外オプションの違いと査定への影響」をご覧下さい。)
また車体の色もシルバーや白が多く、色を選べないことが多くなります。稀にですが、ディーラーのデモカーなら上位グレードやオプション付きが出ることがあります。ただし未使用ではないので走行距離も数百キロだったりしますが、程度の良い中古車として許容範囲ならデモカーを狙う手もあります。
・中古車販売店のローン金利が高め
中古車販売店の提携ローンは信販系などが多く、金利が高いので注意が必要です。新車ディーラーでローンを組むとメーカー系のマイカーローンは金利が安く、支払い総額を比較すると、新車を購入したのと結果的に同じになってしまう場合があります。現金一括が理想ですが、ローンを組むなら金利の安い銀行系の自動車ローンで支払うことが結果的に安く購入できて良いでしょう。
登録(届出)済未使用車は新車同然なのに価格が安いというメリットがあり、新車のメーカー保証も引き継げるので、狙ってみる価値がある車です。