自動車リサイクル法とリサイクル券について

■自動車リサイクル法とは

車を廃車にするという場合、一時的に使用しない一時抹消と、解体する永久抹消の二つの廃車方法があります。一時抹消では再登録して車の再使用が可能ですが、永久抹消は車体を解体しているため再使用はできません。

解体をする場合は車を使用済み自動車としてリサイクル法の手順に従って解体処理されます。

車をリサイクルするためには、コストがかかるため、リサイクル料金を預託している必要があります。リサイクル料金は、新車の購入時に預託する(預けておく)ことが義務付けられています。リサイクル料を預託すると、リサイクル券が発行され、中古車として売却するときは次のオーナーがリサイクル料金を払ってリサイクル券を引き取ることになっています。新しいオーナーが、前オーナーに(車の代金とは別に)リサイクル料金を支払ってリサイクル券を引き継ぐ決まりになっています。

■リサイクルの流れ(解体までの流れ)

車のリサイクルの流れは以下のようになっています。

最終所有者:使用済み自動車を引取業者へリサイクル券と共に引き渡す

引取業者:リサイクル券と共に使用済み自動車を引き取り、フロン類回収業者へ引き渡す。

フロン類回収業者:フロン類を回収する。リサイクル料の中からフロン類回収料金が使われる。解体業者へ引き渡す。

解体業者:車を解体し、エアバッグ類を回収する。エアバッグ類回収料金が使われる。シュレッダーダストを破砕業者へ引き渡す。

破砕業者:シュレッダーダストを回収する。

それぞれ別々の業者を前提にしていますが、実際は解体業者が引取から破砕までの全部の役割を1社で兼ねている場合が多いです。

フロンやエアバッグなどの適正な処理にはコストがかかりますので、リサイクル料を預託することを義務付けた、自動車リサイクル法が施行されることになったわけです。

車の車体からフロン・エアバッグの他に、パーツ類を取り、鉄の資源を取るなどして、8割がリサイクルされます。残りの2割がシュレッダーダストとして埋め立て処分されます。

解体が済むと、永久抹消登録がなされ、使用済み自動車の処分が完了します。

リサイクル料金は最終所有者が負担することになるため、中古車として売却した場合は、買取った業者からリサイクル料をもらってリサイクル券を車と一緒に渡すことになります。なので査定を受けたときは、査定額にリサイクル料を含むのか別なのかを確認しておきましょう。リサイクル料を含むのか含まないのかで受け取る金額が変わることになるからです。

■解体業者に売却する場合は各種税金が立替払いしてもらえる

中古車買取業者ではなく、解体業者に直接売却して解体してもらう場合は、自動車税や重量税の未経過部分を車両の買取とは別に支払ってもらえる場合があります。これらの税金は最終所有者の業者が還付を受けることになるため、残存期間の分を計算して立替払いの形で支払ってもらえる場合があります。また、自賠責保険の未経過部分も保険会社に解約を申し込むことで保険料の一部が戻ります。これらを全部まとめて立替払いしてもらえる場合があり、解体業者に売る場合は事前に確認しておきましょう。

なお、解体する場合はリサイクル料は消費されるため、戻りません。リサイクル料は最終所有ユーザーが負担することになっているからです。リサイクル料が戻るのは中古車買取業者などに中古車として売却する場合のみなのでご注意下さい。

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