中古車の個人売買でリスクを軽減するための注意点

個人売買で車を取引するのはリスクがあるため、いくつかのチェック項目があります。

■車両の状態

売主が車両の状態を故意に隠して売った場合にはノークレーム(クレームを受け付けない)という条件があったとしても、売主は責任があることを民法では規定しています。これを瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)といいます。瑕疵(かし)とは通常あるべき品質や性能がないことをいいます。

個人売買では車両の状態をきちんと把握できない場合があります。売り手がどうしても車を高く売りたくて、本当は言わなければいけない修復歴などについて隠してしまうような場合があります。
買い手はそれを見抜けない場合があり、結果として修復歴車を修復歴なしとして高く買ってしまうことがあります。そのまま気付くことができずに修復歴なしの車だと思って乗っている場合もあるので、やはり車の状態については個人売買にはリスクがあるといわざるを得ません。

車の状態を把握するために一つの方法があります。それは財団法人・日本自動車査定協会の業務のひとつである車両状態確認の証明というのを利用させてもらう方法です。数千円の料金がかかりますが、これで修復歴の有無などがわかるメリットは大きいです。査定協会による査定のページには個人間売買でのトラブルを防ぐため、査定協会の査定をご利用下さいと書いてあります。事業所一覧のページに全国の協会事務所の連絡先が記載されていますので、問い合わせをしてみて下さい。

その他、買い手としては、内装の汚れ・電装関係の状態・外装の傷や凹み・点検整備記録簿の確認・走行距離・エンジンやエアコンの調子などを売主から説明を受けておく必要があります。
このチェックを怠ると、あとで不調を見つけてもクレームを受けつけないというのが契約条件になっているはずですので、最終チェックは入念にするようにします。

■契約

買い手が通常の注意をはらっても気付けないような隠れた瑕疵を売主が知っていて言わなかった場合には契約を解除できます。つまりキャンセルができるということです。修復歴があっても言わなかった場合などがこれにあたります。

契約内容については売買価格と支払いを現金一括で支払うことなどを書きます。車両との交換で支払うようにした方が良いでしょう。後日振込みや分割払いは避けた方が安全です。売主としては代金の全額を回収しないで車両と書類を渡してしまうことが無いように、代金と引き換えにしましょう。買い手としては車両と書類を代金と引き換えに受け取れるようにします。

後日になってもめないように、上記のような査定協会の査定を受けることをおすすめします。代金は折半して行えば、車両の状態について後日もめることがなくなります。
そのうえで瑕疵担保責任が無いことを書いておけば後日のクレームトラブルにならずに済みます。

また、名義変更をいつまでにするかを約束して、記載しておくと良いでしょう。名義変更後に車検証のコピーを送付してもらうようにすると良いでしょう。

気持ちの良い取引をするためにも、車両と代金の受け渡しの際には売り手がナビの使い方をはじめ、シートアレンジのしかたやスイッチ類の使い方など各部の使い方を説明してあげると良いでしょう。双方納得のいく説明をして、代金と車両の受け渡しをすることが重要です。

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