相続した車を売る方法

車の所有者が亡くなると、その車は相続財産として相続人へ相続されます。相続財産は家や土地、預貯金や有価証券などの財産すべてを洗い出し、遺言があれば遺言に従って分け、遺言が無ければ相続人で遺産分割協議をして分けることになります。

遺産分割協議とは、遺産をどのように分けるかを話し合いで決める会議のことです。配偶者に土地、長男に家、次男に預貯金と車、のように揉め事にならずにすんなり決まれば良いのですが、それが現実には難しいことが多いようです。現金で分けるために家や車をとりあえず売って換金するという選択もありえるので、いくつかのパターンで説明します。

■とりあえず車は換金するという場合

車を一人に相続させるのではなく、相続人全員の共有名義にして売却し換金する方法です。一人に相続させる必要がないので、遺産分割協議は不要です。もし、家や土地のために遺産分割協議が開かれていても、車に関しては共有名義となったなら遺産分割協議書は不要です。この場合の必要書類は以下のとおりです。

・戸籍謄本
相続人が誰なのか、家計図ではないですが、配偶者・子・親・兄弟姉妹のわかるように必要なだけ書類をそろえます。必要な部分は、相続順位というものがあり、遺族のうち誰が相続人になるか民法の規定があります。多くの場合は配偶者と子が相続人となります。

・故人(=被相続人)の除籍謄本
亡くなった方を被相続人と呼び、除籍謄本で亡くなった事を証明します。車検証の所有者欄に載っている故人が被相続人ということです。

・相続人全員の印鑑証明書
相続財産を共有名義にするために印鑑証明書を全員が提出します。

・車庫証明書
ただし相続人が故人と同じ住所であれば、車庫証明の必要はないので、不要となります。

・売却に必要な車検証・譲渡証明書・委任状・自賠責保険・自動車税納税証明書などの書類一式
必要書類は車の売却に必要な通常の場合と同じです。

なお、相続した車をそのまま乗る場合は共有名義にするとややこしくなりますので、単独名義になるように遺産分割協議をして使用者=所有者という形が理想です。

■車を一人に相続させ、売却する場合(相続人が一人しかいない場合も含む)

・遺産分割協議書
上記は遺産を分割していませんが、一人に相続させるのは分割となり、この遺産分割協議書が必要です。書式例は下で記載しています。誰が一人で相続したかを会議で決めたという簡易議事録です。買取店で用意してくれる場合は住所氏名を書いて署名して実印を押します。
なお、相続人がはじめから一人しかいない場合は自動的に一人で相続しますので協議の必要が無く、この書類も不要となります。

・戸籍謄本

・除籍謄本

・相続人全員の印鑑証明書
相続財産を一人の名義にするために印鑑証明書を全員が提出します。

・車庫証明書
同じく同居人が相続する場合は不要となります。違う住所の相続人が相続する場合は必要です。

・売却に必要な車検証・譲渡証明書・委任状・自賠責保険・自動車税納税証明書などの書類一式
これも上記と同じく必要です。

■遺産分割協議書の例

遺産の車を一人の名義にするケースで、相続人が2人の場合の例です。車のみの協議内容となっていますが、土地・家・預貯金その他についても協議した場合は、項目を増やして使えます。車の名義変更に使う場合は車だけの書類にしておいたほうが他の余計な情報を書かなくて済むのでこのままの書式でも良いでしょう。(提出用のものは「各自○通保有する」の行を削除して使用します)また、相続人が多い場合は、記名・署名欄を増やして使います。(作成・保存する○通のところを人数分に増やします。)
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        遺産分割協議書
  
被相続人 山田太郎
戸籍 ○○区○○1-1-1
生年月日 昭和○○年○月○日
死亡年月日 平成○○年○月○日

上記の者が死亡した事により開始した遺産相続の共同相続人である○○○○、 ○○○○は相続財産に
ついて次の通り遺産分割の協議を行い、下記の通り分割し取得する事に合意した。

  1. 下記自動車は山田○○が取得する。
    1)登録番号:○○ ○○○ ○ ○○-○○
    2)車台番号:○○○○○○○○○○○○

上記の協議を証するため、本協議書を2通作成して、それぞれに署名、押印し、各自1通保有するものとする。 

平成○○年○月○日

住所     ○○区○○1-1-1
生年月日   昭和○○年○月○日
相続人   山田○○(実印を押す)
       山田○○(署名)

住所     ○○○○区○○2-1-1
生年月日   昭和○○年○月○日
相続人   山田○○(実印を押す)
       山田○○(署名)
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■相続した車を売却するには

相続した車を売るには、相続人への名義変更をした後に売却する必要があります。

買取専門店は日常的にこのような相続した車を買取っています。相続した車を買取ることは普通によくあります。通常の書類より必要な書類が増えますが、書類さえ集めればあとは通常の買取と同じです。

相続した車の売却は、相続人が車の所有権を引き継いで売却するという形になります。そして高く売るためにはやはり一括査定のサイトを利用するのが有利です。相続の手続きなどで相続後はとても忙しくなりますので、買取店を回って査定をしている時間的余裕がほとんど無い場合が多いはずです。その意味でも、一括査定サイトなら一度に複数の買取り店に査定依頼ができ、しかも最高額の査定を出してくれた店舗に売却し、必要書類もある程度用意してもらえます。遺産分割協議書も業者が用意しているはずなので、住所氏名の記入・署名と実印を押すだけで済むので書類作成の手間が省けます。

   

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