中古車の個人売買でよく使われる予備検査、一時抹消渡しとは

中古車の個人売買での名義変更はとかくトラブルになりやすいものです。名義変更が遅れてしまい、自動車税が前オーナー宛に届いてしまったりすることがあります。また、事故やスピード違反などで前所有者に追求が来てしまったりすることがあります。

これらのトラブルを防ぐ方法として、一時抹消をして予備検査をするという方法があります。それはどのようなものでしょうか。

■一時抹消とは

車検付の車を一時的に抹消登録して車検を切ることを一時抹消といいます。車検はその時点でなくなります。一時抹消を廃車すると言う場合もあります。
廃車というと、解体することをさす場合もありますが、解体しないでも一時抹消を廃車という場合もあります。車検を切って、公道を走れなくするので自動車税の支払い義務がなくなります。

自動車税は4月1日時点の所有者宛に請求が来ます。しかし、一時抹消してあれば請求は来ないので安心なのです。

一時抹消は陸運支局へナンバーを外してもって行き、抹消登録という申請をすることによって、登録識別情報等通知書(一時抹消証明書)が発行されます。
この書類は車検証のようなもので、再登録の際に必要な書類なので大切に保管します。

■予備検査とは

予備検査とは、ナンバーの無い車を車検とまったく同じ検査をして、(車検証を発行しないで)車検に合格した証明書をもらうことを言います。
この合格した証明書の有効期限が3ヶ月あり、その間に名義変更と同時に車検証を発行することができます。

ナンバーの無い車は、車検を取り直すことでまたナンバーを取得して公道を走れるようになります。この車検のタイミングで名義変更をすることもできますが、車検の合格だけしておいて、その合格証明書(自動車予備検査証)をもらっておいて、名義変更は後日することができます。名義変更をすると、ナンバーと同時に車検証も発行されます。

■予備検査、抹消渡しとは

ナンバーのある車を一時抹消して車検を切り登録識別情報等通知書(一時抹消証明書)を発行してもらい、そのうえで車検を合格だけして合格証明書(自動車予備検査証)をもらって、車両といっしょに書類を渡すことをいいます。

新オーナーはこの車検に合格した車と書類を受け取り、自宅の管轄地の陸運支局で移転登録(名義変更)をします。移転登録(名義変更)をするには名義変更に必要な書類をそろえる必要があります。

車検には合格していますので、名義変更するだけで2年の車検付でナンバーも再発行され、公道を走れるようになります。

■この方法のメリットは

・旧オーナーに自動車税の支払い義務がなくなります。
・車検に合格しているので、名義変更だけで車検が2年つきの車に乗れるようになります。
・名義変更が必ずしてもらえるので、旧オーナーは安心です。

■この方法の注意点は

車検を受けるには24ヶ月点検が必要ですが、予備検査は24ヶ月点検を受けていなくても通せてしまいます。そのため、点検費用をけちって点検をしていない車でも予備検査に合格してしまっている場合がありますので、後日24ヶ月点検をする必要がある場合があり、その費用がかかる場合があります。なので、24ヶ月点検をどちらがするのか相談して決めると良いでしょう。折半で費用を負担するなどの取り決めをすると良いと思います。

また、車検に合格していても、税金や自賠責保険などの支払いが別途必要なので、費用を用意する必要があります。
自賠責保険は25ヶ月で28780円、自動車重量税が重量によって数千円~数万円かかります。また、ナンバーの発行に1500円程度かかります。自動車税も月割りで必要になります。

ナンバーの無い車を移動するには、仮ナンバーを取得する必要があり、市区町村の役所で1000円程度で借りる必要があります。自賠責保険に入っている必要がありますので、余裕を見て自賠責保険には25ヶ月入っておきます。(車検2年分の24ヶ月、プラス、名義変更前の余裕日程分で25ヶ月入ります)

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